森 一郎(理事長)
協立記念病院 緩和ケア科部長 
総合内科専門医・呼吸器内科専門医・緩和医療専門医
日医認定産業医・医学博士

長年にわたり内科医師として、がん診断、抗がん剤治療、緩和医療を行ってきました。そのなかで感じることは、がん治療は常に進歩を続けてきた一方で、「こころのケア」が何十年にもわたり置き去りにされているということです。

がん治療では積極的治療(手術・抗がん剤・放射線治療など)と緩和的治療(身体症状の緩和、精神症状の緩和)がベストな状態で行われることが大切です。しかし、それよりももっと根本的で大切なものがあります。それは大変な治療を受け止めることができる『こころ』です。人間を木に例えるならば『こころ』は木の「根っこ」にあたります。がん治療をしっかり行うためには、『こころ』という「根っこ」を患者さん自身で意識的にケアしなければなりません。

がんと診断されてからは、大きなストレスと不安のなか、次々と治療方法の選択が迫られます。『こころ』が不安定になると、体調にも影響して十分な治療ができない人がでてきます。また自分の病気を十分に理解せぬまま治療を受けている人もたくさんおられます。中には間違った情報によって必要な治療を受けていない人もおられます。「こんなはずじゃなかった」「こうしていたら良かった」「もっと早く大切な情報を知りたかった」など、緩和ケア病棟では患者さんから色々な話を聴いています。

私はこの様な現状をみるたびに心が痛みます。人には病気を受け止め、自分らしく生きる力があります。この力を強くするために、信頼できる医療情報を手に入れ、病気に対する不安、つらい気持ち、それぞれの悩みを分かち合える場所が必要です。私達は、患者・家族・遺族が「自分達の気持ちを分かち合える場所、専門的な相談ができる場所」を作っています。そして、これまでのサロン活動に加え、新たに「個別の医療相談」と「個別のこころの相談」も始めました。

医療者、市民全員の温かい気持ちを持ち寄り、この問題に取り組みたいと考えています。『愛で互いを支えあう』という想いを ‟I FOR YOU Japan” に込めました。皆様、この活動を是非一緒に育ててください。どうぞよろしくお願い申し上げます。

佐藤 眞一(理事)
大阪大学大学院 人間科学研究科 教授
(臨床死生学・老年行動学研究分野)

病の苦しさにひとり悩むことはとても辛いことです。
ともに泣き、そしてともに笑える人がすぐ近くにいたらどれほど救われることでしょう。
医療や福祉の専門家もひとりの人間として、悩みを抱える人とともにそのような仲間づくりをしたい。
それが私たちの願いです。
人と人がつながり支え合う、やすらかな共生社会をともに創って参りましょう。

松本 信愛(理事)
ガラシア病院チャプレン
上智大学大阪サテライトキャンパス長

「がん」と告げられた本人やその家族は、多くの場合、医学的には癒し得ない心の問題を抱えています。
私たちは「箕面がんサロン」をそのような悩みを持っている方々のために開設してきました。
似たような悩みを抱えている者同士や理解あるボランティアと話し合うことで、笑顔になった多くの方々を見てきました。
今後、このような場を箕面以外にも広げていきたいと思っています。

堀口潔(チーフアドバイザー)

堀口循環器内科 ホームページ

https://www.hosp.ikeda.osaka.jp/doctor/horiguchi_j/

 

芥川茂(チーフアドバイザー)

あくたがわクリニック ホームページ

https://akutagawa-clinic.com/