第3話
【私とこーじの300日】
【夫が末期がんと告げられたらまず誰に相談する?】
そういえば看護師さんから、
「家族や親戚、あと職場の方などへ連絡をしておいて下さいね」
と言われていた事を思い出した。
オカンに相談したい!のに•••
私は、とにもかくにも、
自分のオカンと超仲良しである😄
なのでまずは、オカンからや•••!と思っていたら•••
そっちのお母さんにはまだ言わんといてや。心配して、すっ飛んできはるやろし…。
ぬお〜なんでやあああ〜
やっぱりな・・・。
なんでやぁあああ〜 オカンは1番の、心の友やでぇ…
だからこそやん…
この時の、”だからこそやん”の意味は全くわかっていなかった。
私の中で1番大事な(こーじくんを除く)相談相手に、
なんで話したらあかんのや・・・??
言ってない事にしといて、今度こっそりオカンに話す事にしよう。だってこうじくんの一大事やもん!
(相手のことを想っている様で、
自分中心で突き進んでいたな•••と
後になって思う。
今の自分でも、この時の自分は止められないかも😓)
引き下がらない自分なりの想い
そっちのお母さんに話そうとしてるやろ。わかるで•••。
もし自分やったらどうするか考えてみて
そんなん!病院に突撃するに決まってるやんかぁ。
そうやろな…。でもおれは突撃して欲しくないのよ…。
え!?あ、そうなん?お見舞いに来て欲しくないタイプなん?
そっちのお母さんに心配かけたくないってゆうか、迷惑かけたくないってゆうか…。来られるのがイヤだとか、キライだとかじゃないで。
うちの家系はそんな意見は
無視して看病するタイプですよと。
(ドヤ顔)何があっても病人優先❗️
オカンはすぐ駆けつけるタイプや。
わかってる。知ってる。だからまだ伝えんといてほしい…
すぐに駆けつけるタイプやから•••!あきらめてくれる?😜
•••ちょっ(笑) 病人優先してくれてへんやん😅(笑)
え?ま、そー言わず•••!
あかんで、頼むで。
まだ言わんといてや•••?
そこをなんとか❗️
あーかーん。
まっ•••、そぉ〜言わず❗️
•••だめだこりゃ。
集中治療室の中で
どちらも折れないような
折れてくれそうな•••
永遠に続きそうなやりとりをしていた。
自分について深く考える・・・
この時の私は、
〝相手(病人)の意見は無視してでも
こうしてあげるべきだ〟という
頑固な考えの自分だった。
なぜなら、幼い頃に
「生きている時にこうしてあげればよかった、ああしてあげれば…」
と、大人達が話しているのを聞いた事があるからだった。
私のオカンも、そう思って
後悔しないような行動しているんだろうと思う。
身内に何かあった時はすぐに駆けつけるタイプだったが、
それは相手がどう思うのかは、含まれていなかった。
〝突撃!お宅訪問!〟のような感じ。
来てくれて嬉しい人もいれば、
突然来られても困る人もいる。
わかっちゃいるけど・・・。
最初は少し嫌だったとしても
きっと最終的に喜んでくれるだろう、
自分に何かできることがあればやりたい!
という思考タイプなのだった・・・。
強く思う事、ワクワクした事、切り替えの早い自分・・
後悔はしたくない…!
すごくそう感じていた。
じゃあ•••
こうじくんがどう思ってるのか聞いて、
私がやってあげたい事との間をとってゆけば、
(〝あの時こうしてあげていたら…!〟なんて
後悔はしなくて済むんじゃないん?!)
なんやぁ!😃
本人に聞けば済む話やん!?
よし!明日から、
「どう思ったん?」
「なんでなん?」
「ホンマはどうしてほしいん?」とか
いっぱい聞いていこっと!!
私はすごいことを発見したかのように、
ワクワクしはじめていた。
ついさっきまで、
〝オカンにすぐ言うのはやめて〟
と言われて
少しショックな、
モヤッとした気持ちだったのに•••。
気持ちの切り替えが早いと言うか、
起伏が大きいというか•••なんというか、
ゼロか❗️❓100か❗️❓
みたいな性格が出ていたなと思う•••。
ひとり、考えにふける…
こうじくんが入院したので、
家に帰って一人静かな部屋で、色々考え始めた。
〝相手の気持ちを聞く〟って、
もしかして
当たり前のことやったん・・・?
周りの人は知ってたのかも。
思いやりって、そういうことか。
自分より大事なもの、あるんや•••
今、気づいた…
そんなん、習ってないし•••
誰も教えてくれへんかった•••
そんな風に思っていた。
人のせい、周りのせいにしている。
とんだ、自己中心な人間•••。
あきれるけれど•••
でもこれが、
こーじくんが病気になるまでの
〝私の当たり前〟だった。
よくこんな私に友達いてたな•••
今度ありがとうって言おう•••
夫の入院を機に
『自分自身を振り返る時間』を持てた。
ようやく反省や感謝をすることが出来たのだった。
今、思うこと・・・。
私みたいなアホ系タイプ、どーか他にいませんように・・・!
いないに越したことないけど•••
•••でも、もし、
もしもの話!
こんな私みたいなタイプがいてたら•••!
この時、35歳で
若くして大切な人が病気になっても
自分のことで精一杯で
大事な事に気づいてない未熟な私。
そんな過去の自分や
まだこれからの人に
今から何か伝えられるとしたら•••
と思い、この先も過去の日記を書き起こしてみることにした。
こんな体験談を知って
何かに気付いてもらえたら•••。
知ることで
その人自身の行動や考え方に
良い変化が起きてくれれば•••。
次回 第4話
個室か?大部屋か?でもめる•••!?