第2話

【私とこーじの300日】

【入院が決まった夫の意外なこだわり】

(〜こうじくんのこだわりを初めて知る〜)


〜生まれて初めての入院手続き〜

入院が決まったら、
書類を提出するらしい。

患者本人か、
家族が記入するらしい。

家族が居なくて重症な人は
自分で書けと言われてもムリちゃう?
どうするん•••
サインするだけで良い様な仕組みになれば良いのに•••

などと私は勝手に余計な心配をしていた

平日昼間の病院窓口が空いてる時に
入院カウンターに提出しないといけないと聞き、
私は仕事を休む必要があった。

え〜
仕事してる人にとって迷惑な仕組みやなぁ〜
夜中も誰か手続きの仕事してよ〜•••

と心の中で文句を言う自分だった。

病院で働く人のありがたさはこの時まだ知らない•••。)

 


 

きっと
入退院に慣れている人からすると
あたりまえのことなんだろう•••

 

けど、35歳の私にとっては
初めての、
特別で、
急ぎのミッションだった。

はじめての入院手続きで知った事

⚫︎部屋着は病院から借りる形で、数日ごとに替えるらしい。 

毎日じゃないのか😮
そうか、ホテルじゃないもんな!
•••私ってなんにも知らないで生きてきたな•••

⚫︎その洗濯は不要。病院側がクリーニングをする。

クリーニングはお任せでいいのか😮
良かった

⚫︎汚したり、着替える毎に料金は必要。後日まとめて精算スタイル。

入院ってパジャマとかの洗い物が大変なのかと思った。
料金をケチるために
あんまり着替えんといてや
って、後でこーじくんに言おうっと。

(↑今となっては“そんなケチな事考えていたなんて!!”😱と思う。

⚫︎タオルは山ほど必要。(最低でも20枚必要と聞いた。)

なんで!?何にそんなにつかうん?
それとサイズは?
そもそも病院のタオルとかは使ってくれへんの?

 

この時の私は、
本当に不満ばかりである
病院側が全て用意するのは無理というもの。

衛生的な問題もある。
患者さんは自分達だけではない。

  

(『それくらい自分で洗わんかい!』と、この時の自分に叫びたい•••😫)

一旦落ち着き、色々と看護師さんに質問すると、
1日だいたい2〜6枚使うらしい。

こっち側で用意するのが
普通だという事に納得し•••

根こそぎ家からタオル持っていくぞ〜!😆

と意気込むのだった。

その他にも必要なもの

⚫︎ぱんつ、靴下、衛生用品
(歯ブラシ、シャンプーなど)を
自分で用意する。

 

(ホテルに泊まるのとは違うのだから
もちろんこれらも自分達で用意するものか•••)

⚫︎本人用の水筒が必要。

この病院では本人の名前を
マジックで書かないといけないキマリだった。

こーじは「水筒に直接書くのは嫌だ」と断固拒否。
名前を書いたシールを貼る事で対応した。

ちゃんと綺麗に剥がせるシールを持って来てくれ、だとっ!?

病院のキマリごとよりも所有物の見た目?
美的センス?を取るんや…
小さい事にこだわるんやなぁ•••

もしかしてこうじくん、
相当なおしゃれさん だったか

(結婚8年目でようやく気づく•••おそいねん!と言いたい。今も思う。)

私「こーじ、あとは何がいるん?」
と聞くと、

こーじ「携帯の充電器とか、超特急で持ってきて!」
という()

普段、急ぐ時に
特急でたのむ!
とか言うのに、今回はがついてる。

そんなに急ぐものとは?

 

え?毎日ログインボーナスを逃したくない?

•••こんな時にゲームですか!?

こーじ「あと•••ぱんつは•••看護師さんに見られても恥ずかしくないやつで…」

と照れながら言うので、

ヨレヨレじゃない物をちゃーんと用意するわ!😆


と、返事したものの•••

病気を治すのが目的やから
下着なんて なんでもええやん!


と心の中で毒づくのだった。

こーじ「シャンプーは絶対スーパーマイルドでお願い!」
と言われて、

本人の好み?
こだわり?が
たくさんあることを、
ようやく知る•••。

•••しかし•••

私「え〜?そんなんなんでもいいやん!😑
あるやつ持って来るわ!」

とついに心無い返事をしてしまった。

自分の心との対話

今までは、
何でも気にせず使ってくれてる〜
と思い込んでたけど…

そう言えば
新しいシャンプーを風呂場に置いても、
そっちはあんまり減ってなくて

あれ?新しいのは使ってないのかな?
遠慮してんのかな?
新しいアイテムに興味がないのかな


って思ったこともあった•••


昔から置いてる
スーパーマイルドシャンプー”を好んで、
使ってたのかなぁ


なんて思い返した。

  

  

ちゃんと
観察してなかったな•••
と反省。

こうじくんは、
私の好きなシャンプーを知っている。
なのに

わたしは•••
知らんかった。

知ろうとしてた?
(自分に問いかける)

 

してたもん!
ただ•••
わからんかっただけ!

 

•••そんなのでいいのか
 •••明日もそれで良いのか?
  •••明後日もそのままでいいのか•••


大好きなこうじくんのこと、
もっと知ろうとせな•••

はよせな•••いなくなっちゃったら•••

家に帰り、
荷物を詰めながら、
ひとりで青ざめていた。

何も言わなくても相手のことを
わかってあげられるような夫婦に
あこがれてたけど•••

全然まだまだやなと思う。

まだまだ先

 

きっと
老夫婦になる頃までに、
阿吽の呼吸になれるはず!

とか思っていたのに。

うそやろ•••?
そんな猶予はないと、覚悟しとかなアカンの

 

晩年、こうじくんと
散歩したりしてのんびり〜過ごす、

2人の幸せな老夫婦の姿が、
私の頭の中から薄らいでいくのを感じた。

こだわりのぱんつ、シャンプー、
それぐらいは
わかっててあげなあかんやないか!
私の心の中のおっさんが怒鳴っていた。

  

  

(•••そんな気がした。)

  

  


次回 第3話

【夫が末期がんと告げられたらまず誰に連絡する?】

次は、自分の足りない頭で必死に考えるが、こうじくんに見透かされていて•••。こうじくんの気持ちを1番に考えないといけない事に、やっと気づくところ。

結婚生活8年間、自分のことばかりで、一体何してたんや!と徐々に思いはじめる。

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