第4話 個室か?大部屋か?で揉める・・・!?
【私とこーじの300日】
個室か、大部屋か。
〜そりゃ揉めるよね!初めてだもの!〜
【ぶつかる意見】
時期は12月初旬。
集中治療室から出れる事になった。
〝重篤な状態〟から、
〝最初の検査〟までの様子見の期間?
に入ったという事らしい。
以降の入院部屋は、
個室か、大部屋か、
決めないといけないらしい。
8人くらいの部屋、
4人だけの部屋、
1人用の個室•••。
小さくなるほど料金が高くなる。
なんと大部屋なら
部屋代はかからないと聞き、
そんなん、大部屋一択やん!
と思ったら•••
誰かと一緒の部屋ってのは•••勘弁してくれ•••。
ええっ!?個室なんて!金持ちのおぼっちゃんか?
(この時の私は、
相手の意見を聞くって決めたばかりなのに
喧嘩腰の返事をしてしまう。
なぜ「もちろんいいよ」と即答で言えないのか•••。
と、心の中で少し葛藤もあったけど、
わかっちゃいるけど、素直に出来ない。
まだまだ未熟な自分だった。)
個室を使った場合、
1日あたり7000円もする。(当時の金額)
いつまで入院か分かっていないのに、
お金をどうやりくりしたらいいかを
あまり考えた事がない私は、
とにかく一番安いものにするのが当たり前!
だと思っていた。
それが、
家族想い、というものだ! と。
この時こーじに対して
個室!?
贅沢するなんて、サイテー!
家族の事かんがえてくれてへんってことやん!
こんな風に思っていたのだった。
【対策を練ってみる】
こーじに
『わかった。大部屋でも良いよ。』と
言わせるには、どうしたら良いだろう?と
私はアホなりに策を練った。
私と違い、
こーじはとっても常識人なので
世間一般の意見を突き付けたら
きっと心変わりしてくれるだろう!と
ネットで検索したり、
他に家族が入院してる人に電話して
『普通は入院する時って大部屋ですよね〜?』とか聞き始めた。
それらで得た結果は、様々だった。
- まあ、普通は個室なんてできないよね
- お金が有り余ってるなら別やけどね
- いくら病人でも家族に迷惑かけてまで個室がいいとかワガママ言ったらあかんよ…
- 個室しか無理!っていう人もおるよ
- 大部屋で申し込んだ後に個室が空いて、たまたま無料で移らせてもらえた事あるよ〜
- 余談やけど個室よりも高級な、自由度の高い部屋が存在してるらしいで
- 退院する前に入院費の支払いが来るから、先に用意できないなら個室はやめときや
- 相手の意見は、聞いたん?
- 本人と話し合って決めなあかんで
- 旦那さんの性格は?個室に向いてないタイプ?大部屋でストレス溜める人なら病状が悪化したらあかんしなぁ
•••色々な意見の中、患者本人の事についてたくさん聞かれ始めた。という事は、今の私は旦那さんよりお金を優先してないか?という思いがよぎった。
ううん!ちがうもん!
お金なんて大事じゃない。こうじくんが優先に決まってる。
なんでや•••どうした自分。
自己中心なうえに、ケチなのか?
『そんなんじゃ、あかんぞ!』と
私の心の中のおっさんが怒鳴った。
うーん…
うーん•••でもお金たりるかな•••
【悩む私に救いの手が・・・?!】
悩み苦しむ中、
〝相談医〟という肩書きを持つ女の人が挨拶に来てくれた。
〝医師〟と〝看護師〟とはまた少し違う角度から
サポートしてくれるらしい。
まさに、相談できる人物が目の前に現れたのだった。
その相談医、〝Kさん〟は、
爽やかで、明るくて、
医師にもハキハキ文句も言えて、
看護師さんの目線にも立っておられるなぁ
という印象だった。
患者本人の不安な気持ちも、
患者の家族の気持ちも、
入院費のお金の悩みも、
病気の治療についての質問も、
病院への不満でも何でも相談してね!とおっしゃった。
えんじぇるが•••来てくれたぁ•••
と思った。
(心の中で大好きな氷室京介の〝Angel〟という曲が流れ出す最高の気分だった)
私はさっそく、色々と打ち明けた。
個室か大部屋で悩んでるんですよぉ!
そうよね、無理しないことが1番だけど、旦那さんはストレスとか、溜めちゃうタイプ?
めっちゃストレス溜めちゃうタイプなんです〜。
隣の部屋から子供の鳴き声が聞こえたら寝られへん
とか言いますし、
仕事でも遊びでも気を使い過ぎて
言いたいことの半分も言えなくて、
ストレス溜めて帰ってくるってゆうタイプです。
自分でそう発言して、ハッとした。
•••じゃあ•••
•••個室一択やんか!
何が〝無料の大部屋一択やぁ〜!〟やねん!私のアホぉ〜!(心の叫び)
そう思ったのがKさんにも伝わったのか、
2人で決めて出した答えこそが、〝正解〟だと思うよ!
と、言ってくれた。
”こーじのきもちと、私の判断と、
どっちがいいんやろうー!?何が正解なん!?
誰か教えて!
今後、後悔したくないよー!”という悩みから、
ぱあぁぁーっと解放された気分だった。
このあと、たとえ
入院費や通院費で困ることがあったとしても、
今の判断の時点で〝正解〟してるんやから、良いやん!
って思えた。
それこそが、〝2人で出した答え〟ってやつだった。
【『2人で出した答えが正解』と聞いた私の心の変化】
•••今までそんなの、なかったかもしらん•••
2人で?合わせた意見?
こうじくんが、ほとんど、私に合わせてくれてたような•••
うわぁ•••
サイテーなのはわしやないか!
と、私の心の中のおっさんが
また、怒鳴った•••。
この後、検査とか、
今後の方針についてチームで話し合いがあるから、
参加してねっ!
私は、
『こうじくんの意見さえ聞いてもらえるなら
どんな風に今後の方針が決まっても構わない』
と思いはじめたのだった。
次回 第5話
相手中心の考え
チーム医療のリーダーは?!